33歳フリーランス、家を買う。

第8話「舞い降りた歓喜の瞬間。それは、本当に一瞬だった。」

前回、住宅ローンの事前審査の必要書類を提出した僕カナモト。
サノさんから1週間程度で結果が出るという報告を受け、
その期間をとてもドキドキソワソワした気持ちで待っていた。
果たして事前審査は通過するのか、無事に購入申し込みをすることができるのか、
そして念願のマイホームを手にすることができるのか、
ストーリーはいよいよ佳境へと入っていきます。

悩み再燃、マンションor戸建て、大手or地場の不動産業者?

住宅ローンの事前審査が進んでいる、このまま無事に通過して、
購入を申し込めば、マイホームが手に入ることになるかもしれない。
ただ、初の内見からここまで1週間も経っていない。
こんなにあっさりと購入を決めていいものかと少し不安になっていた。

そこでサノさんには内緒で、審査結果が出るまでの約1週間を利用して、
他により良い物件はないものかと探してみることにした。
スーモやアットホームなどの不動産ポータルサイト上で、
自分の希望条件に該当する物件はチェックしきっていたが、
たまたま掲載されたばかりの気になるマンション物件を発見し、問い合わせてみた。
物件窓口は某大手不動産流通会社で、サノさんの会社は社員4名くらいの
地場の小さな会社だったこともあり、対応を比較してみるという点でもいいと思ったのだ。

某大手の物件担当者からは、僕が問い合わせメールを送ってから半日と経たずに
折り返しの電話があった。さらに、対象物件以外にも同価格帯の多数の物件資料を
送ってきたのだ。そのスピード対応にさすが大手と思いつつも、逆に辟易としてしまった。
直接会って、顧客の希望を聞くこともせず、自分のノルマ達成にしか興味がないのでは?
という多少ひねくれた見方をしてしまったのだ。対して、サノさんには決して押せ押せムードはなく、
何よりも顧客の話に耳を傾けてくれる、そしてわからないことは何でも何度でも質問してください
と言ってくれる、常にお客様ファーストの姿勢があった。

いただいた物件資料にざっと目を通してみても、
僕の希望価格帯ではマンションの方が戸建てよりも平米数が減ってしまうこと、
そして管理費・修繕積立金がかかってしまうことがやっぱり気になった。
もう「戸建て」で決めよう、そして今回の物件がもし購入することができなくても、
最後まで「サノさん」に手伝っていただこう、「サノさん」から買いたいと強く思えたのだった。

また、この間に実家に帰り、両親に家の購入を考えていることを伝えていた。
電話やメールでは進行を報告いていたものの、急すぎる展開には驚いたようだった。
ただ最終的には
「あんたが気に入っているのならいいんじゃないの。もういい年だしね」
と後押ししてもらい、生前贈与という形で頭金も少々サポートしてもらうこととなった。

僕の心もお金の面でももう準備はほぼ万全であった。

ついに出た、住宅ローン事前審査の結果や如何に?

2020年11月12日(木)午前、サノさんから待ち望んでいた連絡が届いた。
信金の方から無事に満額の融資承認が下りたという知らせだった。
そう、住宅ローンの事前審査に通過したのだった。

とても嬉しかった。今まで頑張ってきたことや自分の仕事が認められたように思えた。
個人事業主・フリーランスでも家は買えるのだ。ちょっと泣きそうになったくらいだった笑。

合わせて、サノさんからは地銀の方はもう少し審査の時間がかかりそうだということ、
そして今後の大まかな流れが伝えられた。

住宅ローン事前審査通過

購入申し込み

売買契約

住宅ローン本申込
※借入先銀行はここまでに決めておけばいいらしい。

住宅ローン契約

物件引き渡し・決済

引っ越し

という流れになるらしく、次は売主さんと売主さん側の不動産業者さんに
物件の購入意思を示す「購入申し込み」の段階となる。
サノさんからは同日12日(木)夕方以降なら空いているので、
即日申し込むことも可能だという知らせがあったが、
僕の仕事の関係で都合が付かず、翌日13日(金)のお昼に再び近所の喫茶店で会い、
必要書類に記入して申し込みをすることとなった。
審査が通過してから、こんなにも早く申し込むことになるとは…と思ったが、
サノさん曰く、人気の物件は申し込みが突然殺到することもあり、
一番手を獲得するためにもなるべく急いだほうが良いとのことだった。
善は急げである。

急ぐカナモト&サノ、申し込み争いを制することはできるのか?

2020年11月13日(金)13時、住宅ローン事前審査通過の翌日、
僕はついに購入を申し込むこととなった。サノさんから改めて物件や土地についての
詳細な説明を受け、必要書類の空欄を慎重に埋めていった。
記入が済むと、サノさんは急ぐように車を飛ばし、書類を売主さん側の不動産業者さんに提出しに行った。

実は、対象の物件はここ最近内見が非常に増えているらしく、
いつ申し込みがあってもおかしくない状態とのこと。
そして、サノさんは口癖のように言った。
「不動産業界は不思議なもので、
 誰かが申し込むと、続くように申し込みが殺到することがよくあるんです。」
サノさんが幾度と言うことだから、決して僕を脅すでもなく、本心から話しているのだろう。
安全運転と申し込み一番手を祈りつつ、サノさんを見送った。

同日の13日(金)夕方、サノさんから連絡があり、無事に一番手での申し込みが完了したとのこと。
売主さんは仕事的に土日休みのため、無事に進めば、今週末には契約できるのではないかという話だった。
サノさんとだけは事前に予定を合わせ、15日(日)に契約を行いたいという希望を
売主さん側の不動産業者を通じて、売主さん側にも伝えてもらった。

11月1日(日)の初内見からほぼ2週間で家を購入することとなった僕。
我ながらすごい決断だったなぁとほくそ笑みながら、
この日もまた大好きなハイボールをしこたま飲んだのだった。

歓喜は一瞬。待てど暮らせど進捗せず…

翌日14日(土)、サノさんから「契約日が決まりました」という
連絡を待っていたところ、夜の18時になってやっと知らせが来た。
契約日について売主さんと売主さん側の業者の都合が合わず、
まだ何ら話ができないない状態のため、15日(日)の契約は難しいだろう
ということが伝えられた。

「へー、そんなこともあるんだ〜」と思いつつ、
以降も契約日決定の連絡を待っていたが、スマホの着信もメールも一向に入ることはなかった。
5日後の11月20日(金)、サノさんから久しぶりに連絡があり、
「遂に決まったか!」と思ったが、まだ売主さん側サイドからの連絡がないという報告だった。
合わせて、地銀の住宅ローン承認も下りたという知らせがあった。

ただ、そんなことはどうでも良かった。
何となく雲行きが怪しくなっていることは感じていた。
でも何が起こっているのかは、検討も付かなかった。
僕の心の中は「早く契約がしたい。」という一心だった。

この記事を書いた中の人

カナモト タカシ

ライターです。本名でコピーライターとしても活動しています。

同じカテゴリの記事RELATED POST