02片さん宅キッチン編

「ステキ暮らし」第2回目にご紹介するお宅は、料理研究家・片幸子さんの自宅兼キッチンスタジオ。もともと生活の場だった自宅マンションを、スタジオとして利用できるようにリフォーム。料理を仕事にする片さんのこだわりは、真似したいことばかりです。細部にまできらりとセンスが光っていました。

「ステキ暮らし」第2回目にご紹介するお宅は、料理研究家・片幸子さんの自宅兼キッチンスタジオ。もともと生活の場だった自宅マンションを、スタジオとして利用できるようにリフォーム。料理を仕事にする片さんのこだわりは、真似したいことばかりです。細部にまできらりとセンスが光っていました。

海外と日本メーカーの住宅設備が混在。納得いくものを妥協なく選び抜く

料理研究家の片幸子さんが、自分が住んでいたマンションをキッチンスタジオとしてリフォームすることになったきっかけなどをご紹介したのが、#1 事の始まり編。同じマンションの別の部屋に運良く空きが出たことから始まったリフォームは約1年かけて、2020年12月に完成。

同じマンション内に自宅はあるものの、今ではお風呂や寝に帰るぐらいで、1日の大半をこの居心地のよい空間で過ごしているそう。片さんにとって仕事場でありながら、生活の場としてもすっかり馴染んでいるようでした。

“キッチン”というと皆さんはどんな色をイメージしますか?自分のお家のキッチンはどんな色が多いですか?白やステンレスなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

こちらのキッチンスタジオでまず目に飛び込んでくるのが、シックなアンランドキッチン。ブラックが重厚でありながらも、他の木目の素材などとの組み合わせで柔らかな空間にしっくりと馴染んでいます。

アイランドキッチンの作業台は、タイル素材。作業台の素材として耳馴染みがないという方も多いかもしれませんが、汚れや熱にも強く、キッチンにはぴったりなのだとか。機能はもちろん、無機質なステンレスなどと比べて温かみがあるところも気に入り、ショールームで見た瞬間、即決だったといいます。

片さんが訪れたのはアドヴァンの東京ショールーム。業界最大級の圧倒的広さを誇るショールームには2万点の商品や施工例が展示されています。タイルだけでもたくさんの種類が。

アイランドキッチンは選んだタイルを切り出し、木材に貼ってつくった特注品です。

シンクと蛇口は、ドイツのメーカーハンスグローエのもの。作業台と同じブラックで馴染みが良く、またシンクは横が80cmとかなり広めです。シンクのなかで魚を捌くこともあるので、その広さも決め手になりました。

また蛇口は、さまざまなモデルを見て、実際に使ってみるなど丸一日じっくりと時間をかけて「これ!」というものを選んだそう。

蛇口は水流が心地よかったこと、滑らかなデザインが気に入ったこと、そして手動で水を出したり止めたりすることができるのもポイントでした。最近では手をかざすと自動で水が出るタイプも多いそうですが、調理や片付けの工程によっては水を流しっぱなしにする必要がある片さんにとって、それはかえって不便なのだそう。

コンロ選びの基準は、「機能がシンプルであること」「掃除がしやすいこと」「火力が強いこと」「ゴツすぎないこと」。

その全てが備わっていたのがスウェーデンのメーカー「アスコ」の製品。黒い盤面に、黒い五徳…とその見た目はとてもスタイリッシュです。

4口コンロのうち、一番左が強火用のコンロ。バーナーの炎は2種類に切り替えることができ、通常は熱を外に取りこぼさないように内炎式(写真左)を使用し、直径の大きな鍋を使うときには炎が外に広がる外炎式を(写真右)。効果的に熱を利用することができるのです。

そもそも和食を得意とする片さんは大鍋で茹でものや、出汁を取ることが多いため、強い火力は必須。火力が弱いとその分時間がかかってしまうそうです。また、中華鍋で炒め物をするときなどにも、強い火力の方が美味しく仕上がるのだとか。

そして、火力が強いだけではなく、チョコレートのテンパリング(※)ができるほど、弱い火力にもできるのはさすが!

※テンパリング:チョコレートを一定の温度で溶かす作業のこと

また、一般家庭によくある“魚焼きグリル”はついていないので、その分コンロの下に引き出しを付け、収納ができるようにしています。

コンロを検討する際には、日本のメーカーも考えたそうですが、安全装置がついているため長時間火をつけていると自動的に火が落ちてしまったりと、片さんの使い方にはフィットしませんでした。

コンロの上には、イタリアのデザイン性と日本の職人の技を融合させたアリエッタのレンジフードが。衛生面から掃除のしやすさも外せないポイントでした。 アリエッタはフィルタが必要なタイプのレンジフードですが、同ブランドにはフィルターレスのアリアフィーナという製品もあります。

レンジフードのさらに上に、ダクトがそのまま見えているのもとってもおしゃれに感じます。少しでも天井が高く見えるようにするため、このような仕様にしたのだとか。

こちらは、ビルトイン電気スチームオーブン。ぴったりと収まるように設計して棚を作ったので、スペースにも全く無駄がありません。

片さんが愛用している電気スチームオーブンのメーカーは、コンロと同じスウェーデンのメーカー「アスコ」。海外製のオーブンは使い方が難しいものが多いけれど、これはシンプルで使い勝手が良く、何より庫内が大きいので、一度にたくさんの料理を作るときにぴったり。大型の鍋もそのまま入れることができるのもポイント。

また、アイランドキッチンがメインステージだとしたら、その後ろにある作業台とシンクは、いわばバックヤード。

ここで下準備をしたり、洗い物をしたりします。とはいえ、バッグヤードに対する片さんの熱量はメインステージと変わりません。

作業台には、アイランドキッチンと同様のタイルメーカーで選んだタイルを使用。こちらでは、天然石調の白いタイルをチョイス。

また、シンクは「三咲ステンレス」というメーカーの特注品。角を丸くすることで汚れが溜まりにくく、掃除もしやすい仕様です。外側の側面もステンレスにすることで、掃除がしやすくなっています。

キッチン随所にあるこだわりは、お料理のプロフェッショナルである片さんならでは。このスタジオはまだ稼働したばかり。これからも多くの人にとって忘れられない時間やお料理が、ここから生まれるはず!